『ZOO』乙一

去年、課題図書としてはじめて手にした乙一氏の割かし有名な短編集。
「ご近所ペンギン」つながりの雪村さんのところでレビューを目にして読みたくなったので読んでみました。
(猫が読んだのは文庫ではなくて市立図書館から借りてきたハードカバーなので、雪村さんの言及しているあとがきはないのですが。)

全部で10作の短編が詰まっていますが、ほんとに全部面白かったです。
最後のひとつを読み終えて思わず口に出していってしまった一言は「この人頭おかしいんやろうな。」でした。 もちろん、賞賛のコトバですよ。最上級クラスの。


短編集を読むと、その中で一番すきなのはどれ、イマイチだったのはどれ、と
なんとなく自分の中で比較してしまうのですが
『ZOO』に収録されているお話は全部が個性的で魅力的で、比べられない感じがします。あえて一番を選出するとしたら、、、う~~~ん、難しいけど、、、「SEVEN ROOMS」かな。ああ!でもでも「神の言葉」も「陽だまりの詩」も「冷たい森の~」も捨てがたい。
なんか、ミステリとかホラーとかより純文学に近いやつもあるよね。
一品一品が全然違う味かつ美味しい懐石のフルコースみたいな。お得ですよこの本!!(錯乱

カテゴリー: 活字中毒 パーマリンク

4 Responses to 『ZOO』乙一

  1. にしづる のコメント:

    「SEVEN ROOMS」は私も好きです。雑誌「文學界」に紹介されたこともあります(そのときは誤植で作品名が「SEVEN DAYS」になっていましたが)。
    で、ほかの乙一の作品だと、スニーカー文庫「失踪ホリデイ」収録の「しあわせは子猫のかたち」がお薦めです。この作品は「失はれる物語」の中にも再録されていたはずです。

  2. 黒猫的性格女人 のコメント:

    「SEVEN~」の濃くて重い感じと「陽だまり~」の明るいやさしい感じが 同じ頭から出てきてるのがすごいですよね。
    「黒乙一」「白乙一」とかいうコトバもあるんだそうな。
    猫は白の「暗いところで待ち合わせ」も好きですし、黒全開の「暗黒童話」も好きです。
    にしづるさんおすすめの作品は未読だったので、読んでみたいと思います。白黒どっちなのか、楽しみ☆

  3. 雪村 のコメント:

    『しあわせは子猫のかたち』を薦めようと思っていたら西鶴さんに先を越された(笑)
    『天帝妖狐』に収録されている『A MASKED BALL』もお薦めです。

  4. 黒猫的性格女人 のコメント:

    『失踪ホリディ』貸し出し中だったので『GOTH』読んでおります。
    登場人物たちが、性格とか病気とかロボットだからとかいういろんな理由で「淡々としてる」というあたりが「乙一っぽさ」なのかも知れないなぁと思っているところです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。